Nyquist パーツ購入
Nyquistを作ろうと考えたので、build logを残そうと思います。
Nyquistは、60%キーボードを中央で分割して、片側が5段6列で格子状にキーが配置されているキーボードです。パーツを個別に購入して、はんだ付けなどを行って組み立てる必要があります。
まずは、必要なパーツと入手先(の一例)を書いていきます。
- PCB x 2 : Keebio($7.49 x 2)
- Pro Micro x 2 : Keebio($6.99 x 2, +2$でNyquist用のqmkをあらかじめ焼いてもらえるサービスあり)
- TRRS Jack x 2 : Keebio($3.49)
- TRRS Cable : Keebio($1.99)
- Diode 60個くらい : Keebio($1.99)
- アクリルプレートとケース 2セット : Keebio($24.99, 材質はお好みで)
- スペーサ 9個を2セット : Keebioで↑を購入するとセットになっている
- ネジ 18個を2セット : 上に同じ
- タクトスイッチ x 2 : KeebioでPCBを購入するとセットになっている
- キースイッチ, キーキャップ : Mehkee,AliExpress(スイッチ$20.67,キーキャップ$21.24, スイッチの種類、キーキャップの形状・材質などはお好みで)
以下のパーツはお好みで
- 4.7KΩ抵抗 2個を2セット : Yahooショップ(10個で40円, I2C通信を行う場合)
- LEDストリップ 2個以上 : switch science(LED10個分で756円,LEDを点灯させる場合)
- リード線 : Amazon (7色各2mで500円くらい, LEDを点灯させる場合) 2017/08/09 削除
2017/08/09 追加
以下のパーツはPCBのバージョンが1.2の場合に必要
- リード線: Amazon (PCBの不具合対応に必要)
感想
Let's Splitを使ってみた感想
Let's Splitを組み立て、約三週間使ってみた感想です。
・格子配列について
使い始めて間もないころは、ホームポジションから隣の隣のあたりのキーを押し間違うことが多かったのですが、二週間くらいで押し間違いにイライラしない程度には慣れました。また、ホームポジションから一旦指が離れると、戻ってこれないということもありましたが、これも慣れました。格子配列では斜めに指を伸ばす時の、指を伸ばす量が減って良いと感じました。
・左右に分割されていることについて
最初はキーボードが分割されていることに、言いようのない不安を感じていたのですが、やはりこれも慣れました(Nintendo Switchのジョイコンを左右独立させて持った時にも同じような感じが…)。ただ、エルゴノミクスキーボードは手・腕を無理な方向に曲げたままにしなくて良いから疲れにくい、という利点がよく言われていますが、私の場合は劇的な改善は感じられませんでした。使い方が悪いだけかも…
・物理キーが少ないことについて
Let's Splitの前は60%キーボードを使っていたため、最初はかなり戸惑いましたが、キーマップを自分で変更することで、かなり改善できたと思っています。レイヤ変更キーを押しながらタイプするというコストがかかっても、指を動かす範囲が少なくて済むというメリットが大きいと思います。
格子配列良いです!
頑張って指を伸ばしている感があまりなく、「こんなに力抜いていてもタイプできる自分凄い」と勘違いできるくらいの気持ちよさがあります。
組み立て(7)
プレートを固定する(Assembly - Assemble the case)
表面からネジを通して、スペーサで固定します。
# 今回は、TRRSジャック付近のプレートの穴の位置が、PCBの穴の位置と少しずれていたため、短いスペーサを使ってごまかして組み立てました。
# また、Pro Microのピンの足が思ったよりも長かったため、用意していたスペーサでは長さが足りず、M3 15mmのスペーサを新たに準備しました。
裏面も同様にネジを通してスペーサで固定します。
その後、下側のプレートの四隅にクッションゴムを張り付けて、プレートが直接机に触れないようにしました。
キーキャップをはめて、両側をTRRSケーブルで繋ぎ、左側からUSBケーブルでPCにつなげば完成です!
一通りキーを触ってみましたが、特に反応しないところもなく、無事に動きました。
いくつか変更したいキーがあったため、ファームウェアのkeymap.cを更新してビルド・転送を左側・右側それぞれ行ったところ、無事にupdateされていました。
一か月くらい使ってみたら、感想を書こうと思います。
組み立て(6)
RGBストリップの配線を行う
まず、RGBストリップを5個のテープx2に分割します。(今回は10個で1本のテープだったため)
そして、リード線を三色(ここでは、赤白黒)、それぞれ三本づつ3cmくらいの長さのものを準備します。
左側PCB裏面の配線を行います。
TRRSジャック側、LEDストリップの5VをVCCに、DOをextra dataに、GNDをGNDにつなぎます。
Pro Micro側、LEDストリップの5VをVCC、GNDをGND、DOをTX0へつなぎます。
右側PCB裏面も同様に配線を行います。
5VをVCCに、DOをextra dataに、GNDをGNDにつなぎます。
以下の写真は、配線が終わった後のPCB裏側。
左側
右側
組み立て(5)
Pro MicroをPCBに半田づけする(Assembly - Mount the Pro Micro)
Pro Microでスイッチのピンが隠れる箇所を先に半田づけしておきます。
黄色の枠がPro Microの位置(PCBの裏側)、赤丸がスイッチのピンの位置です。ここの二つのスイッチを先に付けます。スイッチは、プレートとPCBの両方にしっかりとはまっていることを確認します。
左側
右側も同様。
スイッチを付けたら、裏面にそれぞれPro Microを半田づけします。
正面から見ると以下の図の通り。
残ったスイッチをはめ、しっかりとはまっていることを確認したら、ピンを半田づけします。
組み立て(4)
ファームウェアをPro Microへ転送する(Windowsでの手順)
Bashのインストール(FLASHING - SETTING UP)
Windows10でBashを使えるように設定します。(参考)
AVRDudessのインストール(FLASHING - SETTING UP)
- ここからAVRDudessをダウンロードしてインストールします。
- ここからWinAVRをダウンロードしてインストールします。
- %WinAVRインストールディレクトリ%\utils\libusb\bin 以下にある libusb*(4ファイル)を、%AVRDudessインストールディレクトリ% 以下にコピーします。
ファームウェアのソースのダウンロードと展開(FLASHING - SETTING UP)
https://github.com/qmk/qmk_firmwareから、Clone or Download → Download ZIPを選択して、qmk_firmware-master.zipをダウンロードします。ダウンロードしたファイルを適当な場所に展開します。
ファームウェアのビルド(FLASHING - BUILDING HEX)
- bashを起動します。(ファイル名を指定して実行→"bash" など)
- ソースを展開したディレクトリ以下の keyboards\lets_split に移動します。(例えば "cd /mnt/d/documents/qmk_firmware_master/keyboards/lets_split)
- keymapsディレクトリ以下に、適当な名前のディレクトリを作成してその中にキーマップを記述したファイルを格納します。(キーマップのカスタマイズについては後述)
- make rev2-キーマップディレクトリ名
- qmk_firmware_master/.build 以下にobj_lets_split_rev2_* ファイルが作成されます。(使用するファイルはobj_lets_split_rev2_ディレクトリ名.hex)
キーマップのカスタマイズ
qmk_firmware_master/keyboards/lets_split/keymaps/ 以下に、いくつかサンプルのキーマップが格納されています。適当な名前のディレクトリを作成して、keymap.c, keymap.h をコピーし、適宜modifyします。詳しくは、QMK Firmwareに書かれています。
右側のキーの定義が左右反転されてしまうようなので、こちらのrekeymap.hをincludeすると良いと思います。
今回は、RGBストリップを付けるので、以下の記述をMakefileに追加します。
RGBLIGHT_ENABLE = yes
また、以下の定義をkeymap.hに追加します。(参考:RGB Underglowの設定)
#undef RGBLED_NUM
#define RGBLIGHT_ANIMATIONS
#define RGBLED_NUM 10
#define RGBLIGHT_HUE_STEP 10
#define RGBLIGHT_SAT_STEP 17
#define RGBLIGHT_VAL_STEP 17
ビルドしたファームウェアをPro Microへ転送(FLASHING - FLASHING)
- AVRDudessを起動する。
- 左側のPro MicroをUSBケーブルでPCとつなげる。
- 次の4箇所を設定する。
-
Port(-P)のリストを見て、リストにあるCOMx の名前をメモしておく。図ではCOM1とCOM3。
- Pro Microに付けたリセットボタンを押下する。すぐに再度Port(-P)のリストを確認し、4でメモしたリストに存在しないCOMx(新しく出現したもの)を選択する。図の例では、COM4を選択する。
- Program! を押下してファームウェアを転送する。(左側の作業完了)
- 右側のPro MicroをPCにつなげて、EEPROMをeeprom-righthand.eepとして、4から6の手順を繰り返す。
# 上手く動きますように…
組み立て(3)
Pro Microにピンを半田づけする(Assembly - Mount Header Pins)
Pro Microに付属している、PCBと繋ぐためのピンを半田づけします。
それぞれ、図のような向きで接続したいので、ピンの向きを変えてPro Microに固定します。
左側
右側
Pro Microにリセットスイッチを付ける
Pro Microにファームウェアを書き込む時の手順に、「GNDピンとRSTピンをショートさせる」という項(Flashingの8)があります。この手順を楽にするために、タクタイルスイッチを使ってリセットボタンを実装します。(実装イメージ)
ピンとタクタイルスイッチを付けて以下のようになりました。
購入したタクタイルスイッチは、四本足のものです。不要な足は落としてあります。